この映画は近未来SFであり、おそらく今後、世界中で遺伝子操作が当然のものとなるであろうこの世の未来を描いた作品で、確かにこのような差別的な世界になるのは目に見えてきたのかもしれません。いつかこのような世界が来たとき、どうかこの映画を見てほしい。
僕は映画をたくさんとは言いませんが、この映画が今まで見た映画の中で、一番感動し、大好きで何度観ても心が動かされる映画であり、10年に1本という名作であるのではないでしょうか。以前も観て、また今回この映画を見て、2度目ということで、既にストーリーがわかっているだけに登場人物の一挙手一投足に込められた想いを読み取って涙が出そうになってしまう。観る者全てを魅了する流麗で美しい映画です。映画の雰囲気は静かに流れてゆき、深い味わいをマイケル・ナイマンの音楽とともに表現する。風景や車などはさほど近未来ではなく、どこかにありそうな風景であるけれど、それをどうしてここまですばらしい映像に撮れるのでしょうか。
好きなシーンはたくさんありますが、ビンセントが弟に水泳で打ち勝つシーン、海辺で体を必死に洗い流すシーン、ユージーンがサンプルを大量にビンセントに託してからのシーン、最後の検査・・・。ビンセントとユージーンとの友情、ビンセントとアイリーンの愛情など、キャラクターが映える。イーサン・ホークもジュード・ロウも本当に素晴らしい役者で、この2人なくしてこの映画は語れません。
また、言葉にせずに表し、観客に読み取らせるという手法が見事。ぼろぼろと涙が止まらず、深く考えさせられ、ラストは物悲しいが美しい。素晴らしいストーリーが織りなす100分と短い作品でありながら、これ以上の作品はないと言い切れる作品、絶賛します。20世紀最後の名作だと思います。
あらすじ

