もう泣いた。泣きつかれた。
映画館では涙を拭ったりすると音が立ったり画面を見れなくなるので放っておくのだけれど、そんなことが何度も繰り返されるとなると泣きつかれるし画面がぼやけるしもう眼が痛くなってくる。
西田敏行に泣かされ、まあこれは想定してたけれど西田敏行だしきっと泣かせにくるに違いないまあそのために今まで苦しいことがあっても泣かずにためてきましたみたいな状態で映画館はいったんだし、岡田准一に泣かされ、かあさんの手紙に泣かされ、またもやこれでもかってくらい岡田准一に泣かされ、もっといろいろあるけどもう散々だった。こんなんなツラで映画館から出る人の気にもなってほしいと思いました。
連れのハンカチひったくろうとしたら鞄にしまっていてとれなかったらしくこっちはぼろぼろのまま映画が終わってライトアップの時間になってしまったのが恥ずかしかった。
それくらい泣かされました。終わってぐったりです。
ま、泣くのといい映画ってのは全く違うけれどもね。
でもこの映画は実によかった。
半端にしか生きられないだめ男の、半端な努力や半端な正義感、といった心の揺らぎの表現が非常に巧みで、それを演じる岡田准一ってすごいいい役者だなぁ。かっこわるい役を等身大で演じられているというか。彼かっこいいけれど、それだけ映えるね。
ほかにも宮アあおいとかいろいろとよい俳優に恵まれ、すっと心に入ってくるくらい演技がよく、特に文句なし。
ストーリーも幾重にも凝らされた引っかけと見事に引っかかったクチだけれど、それでもそんな手口に引っかかってよかったと思ってしまった。まあそういう気がする、って疑いは常にあったけれど、やっぱり、という部分もない訳ではないけれど、それはそれですばらしい。
一番いいキーワードは多分、「桃缶」でしょうね。ああ桃缶が、ってシーンが重要です。
でもオタクの話がストーリーとしては引っかかってこなかった。
どっかでつながるとか隠喩とかになっているというわけではない、と思ったけれど。そこが心残りでした。それは独立して楽しめるけれど、ちょっと綺麗にまとめ過ぎじゃん、とか感じて、すこし浮いた感じが否めませんでした。それが残念です。
とまあ、今年一番のおすすめ映画を早くもみてしまいました。
また観ていない人は今すぐ行くことを勧めたいですね。
劇団ひとりにちょっと表れているちょっとばかり垣間見える暗いところに共感がわきそう、とかいう人にもおすすめです。
あ、言っとくけど、あのエンディングテーマには反対です。あの終わり方にしてあの歌の明るさはミスマッチもいいところです。選曲には重々気をつけていただきたい。あれが一番いけていなかった大罪です。
映画「陰日向に咲く」公式サイトリンク

