2007年04月12日

SF小説「マルドゥック・スクランブル -The First Compression- 圧縮」と「Are You Dead Yet?」 by CHILDREN OF BODOM

 オススメ度:☆☆☆☆☆
 冲方丁(うぶかた・とう)著、「マルドゥック・スクランブル -The First Compression- 圧縮」。第24回日本SF大賞受賞作品。死に際で救われた少女娼婦バロットは、自分はなぜ殺されなければならなかったのか。ネズミ型万能兵器ウフコック、まだら髪のドクターらと共に事件を追ってゆくうちに、巨大な組織が背後にいることをしることになる。SFハードボイルドアクション。
 大賞受賞作品ということもあって、濃密で非常に面白い作品です。言葉の韻を踏ませる象徴的なシーンも登場人物もストーリーも文体も、これらはほとんどの点において気に入った小説の一つです。最初の方の文章はいまいちかな、と思っていたけれど、進むに連れてどんどん筆がのってくるというか、読んでいる方も心地よくなってくる、そしたらあっという間に読み終えてしまうことが出来てしまう一冊でした。
 とうぜんこういうハードSFには飛行車もガンアクションもしゃべる動物型ロボットもあり、その上ハードボイルド。当然ルビはカタカナでびっしりときまっている。このSFという世界にどっぷり浸からない理由が見つからないくらいいい作品でした。
 事件の複雑さも非常に面白いのが、事件を起こす度に記憶を洗浄するシェルという事件屋の設定。こういうストーリーの設定って面白いと感じます。こいつと組むのが、また悪そうなボイルドという男。もうみんなキャラクター個性的で、最後の方についに出てくるアクションシーンがあるんだけれど、そこでのキャラクターらも気色悪いの勢揃いな上にアクションかっこいいし、もう惚れてしまう一冊です。
 忘れてならないのは、心を閉ざした中心人物バロットと、それを手助けするウフコックの関係で、この二人が本当にいいケミストリーを作り出している。

 この作品には、ぜひこの1枚のアルバムをBGMにしていただきたい。チルドレン・オブ・ボドムの「アー・ユー・デッド・イェット?」。このアルバムのタイトル通り激しいデスメタルですが、これがいいアルバムなのです。メロディアス・デスメタルと言われるだけあってメロディだけ聴いてりゃ快感を得るくらいののれる粒ぞろいのアルバム。キーボードの旋律とギターソロは、そりゃみんな好きになるよ、という作品です。しかし、ベース、ドラムと特にリズムギターが重要なバンドです。特に1曲目の「リヴィング・デッド・ビート」の独特の拍を感じていただきたい。それに2曲目のタイトルチューン。こういうハードSFであり戦うことから離れられない彼らに、自分を殻に閉じ込めてしまう彼女らにはぜひこの曲を、と感じます。
 静かな曲もこの1冊には欲しかったのですけれどね。ただジャズとかフュージョンではないよな、って思います。ハードな楽曲がぴったりくる1冊です。

 マルドゥック・スクランブルは3分冊ですし、この続編マルドゥック・ヴェロシティも発表されました。僕は今年、SFを大量に読もうと思います。SF好きならこのシリーズは全巻必読ですね。おすすめします。
posted by しょうへい at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 重金属的文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月05日

タミフルはなんでいまだに医療現場で使われるんだろう

 タミフル服用後の異常行動が後を絶たない。特に、10代への吹くような危険であるとしているくらいです。
 なんでこの危険性があるのに、この薬を病院は使おうとするんでしょうか。僕のイメージでは、薬とかってのは何十年と臨床試験を行ってようやく国に認可されるほど安全性を厳しく問われていると思っているから、頻発する異常行動に対して、使用禁止条例がでないのはちょっと不思議な気がするんです。安全に関しての日本人の意識は、狂牛病であれほどまで神経質に輸入するしないでもめているくらいだから、薬に対しても安全でないものを使うのは不自然な気がしませんか? まあ、役人の認可ってのは必ずしも正しくない部分もあるから、臨床でいくらがんばっても無理なものは無理でしょうし、通るものは通るんでしょうけど。
 厚労省がタミフルの副作用に対しての説明文を書いているのですが、でも脳症があるってことを医者は患者に対して説明せねばならない、ってことを書かれても困る。
○ 以上のような状況の下において、現在のところタミフルと死亡との関係については否定的とされておりますが、インフルエンザウイルスに感染した場合、別紙〔参考〕の4のとおりタミフルの販売開始以前においても異常言動の発現が認められており、また、まれに脳炎・脳症を来すことがあるとの報告もなされていることから、以下の点について御配慮いただきたくお願いいたします。

 できればしばらくはタミフルについての無害なり有害なりが確定していないなら、確定するまで配布禁止とかにした方が事故とか起きないと思う。今の時点では医者行ってタミフルもらいたくないもんな。どうしてストップ令出さないのか、やっぱりなんか汚い絡みがあるんじゃないかと勘ぐっちゃうけど。
 現在では、死者8名という大事件になっています。もうやめるべき時期にきているんじゃないでしょうか。
posted by しょうへい at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 随筆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

邦画:丹下左膳 百万両の壺

 おすすめ度:☆☆☆☆
 津田豊滋監督、豊川悦司主演、和久井絵美、麻生久美子、野村弘伸出演。柳生源三カ(野村弘伸)が結婚祝いに兄からもらった壺を価値がないと思いこんで売り払ってしまったが、実は百万両の価値があるらしかった。その壺を探すうちに、丹下左膳(豊川悦司)とお藤(和久井映見)が預かった親を亡くした子どもが持っていることが発覚する。

 うん、よかった。舞台を見ているような変な芝居だけれども、その辺の作りがむしろ味が出ている。トヨエツとか野村弘伸の演技は、この映画でめちゃくちゃへんてこだけれど、これはこれでいいもんです。
 しかしこれは人間味あふれる映画、とは思ったモノの、でもやっぱり丹下左膳のせいで巻き添え食らったそば屋の親父の子どもを拾ったところで「お人好し」はないだろうと思いましたが、どうでしょうか。
 まあ全体的に笑える話だし、決まる殺陣はしっかりばっちり決まっているし、これだけエンターテイメントをちりばめた作品もあまりない。見てよかったと思える映画、ぜひ時間があれば見ていただきたいおすすめの映画です。
posted by しょうへい at 00:01| Comment(0) | TrackBack(2) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする