2007年03月25日

邦画:アンフェア the Movie

 おすすめ度:☆☆
 小林義則監督、佐藤嗣麻子脚本、篠原涼子主演。主人公・行平の車に爆弾が仕掛けられていた。娘が幼稚園に向かうはずだった自動車には、娘と自分の代わりに娘の送迎をする友人が乗っていた。娘が入院した病院は謎の犯罪グループに乗っ取られ、80億円の身代金を要求していた。複雑な事件をとりまく謎多き事件に、行平が娘を助けるために対峙することになる。

 ドラマを予習するのは必須のようです。どうにか2時間スペシャルだけみておいてよかったと思います。ドラマもスペシャルもみず、この映画だけみてはなにがなにやらわかりません。映画館でのお客さんは女性が目立ち、篠原涼子が好きな人が多いようでした。ごっつええイメージしかない僕にとってはあんまり好きになれないのですが、確かにこのドラマの行平演じるハードボイルド刑事はかっこいいです。
 しかし酷いのが設定と脚本。ものすごい意味がわからない、複雑に絡み合う行平の過去話。この行平の過去の、父親の裏金事件を予習しないと全く理解できないと思います。もうちょっと初心者向けに敷居を下げてほしかった。でも、ドラマから見ている人にとっては、そういう方がすごく楽しいんでしょうね。
 それにしたって、この展開は結構酷い。東京都民全部を人質としたバイオテロってのは、あり得るかもしれないけれど、ちょっと僕にはスケールがでかすぎて感じてしまいました。それにあの加藤ローサと成宮寛貴の必要性を感じない。というか、このストーリーって実は、主人公の行平自身の必要性もないんじゃないかと思います。無駄なキャラクターが多いし、無理に裏ストーリーにつなげようとしてると思ってしまいました。見ていてどこにつながるんだろうって考えながら見るから、ストーリーに集中できなかったし。いろいろと、わざと複線作りに、解決しない怪しい一言とか怪しい動作とか、次回作つくるつもりなんだろうなぁ。映画単体としての楽しさを求める人には、おもしろく感じない映画だと思います。細かいところも雑だし。ばれるからヒール脱げ、とかいろいろ思いました。
 まあ、酷評になってしまいました。ドラマ全部見て、行平演じる篠原涼子に惚れてから見ないといけないのかもしれませんね。
posted by しょうへい at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月24日

邦画:笑の大学

 おすすめ度:☆☆☆☆
 三谷幸喜原作脚本、星護脚本、本間勇輔音楽。役所広司、稲垣吾郎出演。昭和15年、劇団「笑の大学」の脚本家・椿一は、脚本を当時の厳しい検閲を通すため、笑いのわからない検閲官・向坂の難しい難癖をこなしながら、再提出を繰り返し、どうにか検閲を通そうと画策し、結局二人で脚本を練り上げて検閲を通そうとするコメディ。

 非常におもしろかった。こういうコメディを書かせたら、さすがの三谷幸喜脚本だなぁ、と関心する。ストーリーが検閲ということをうまくコメディにしているところのセンス、笑いのわからない検閲官という設定が非常によい。舞台はほとんど役所広司演じる検閲官・向坂と、稲垣吾郎演じる脚本家・椿の二人が、検閲を受ける部屋ですすむけれど、これはリチャード・リンクレイター監督の「テープ」を思い出しました。これもおすすめの映画です。「テープ」が気に入った方には、これも気に入るんじゃないかと思います。逆はちょっと違うかも。
 この映画で胆となっているのは、脚本がいいのは確かですが、それ以上に感銘を受けたのは、役所広司の演技力。この人の表情は見物です。表情で、わずかな照れや、期待とか楽しんでいるところとか、びっくりするくらいすばらしい。やっぱり日本にはこの俳優が重要だ! 稲垣吾郎は演技うまくないんですが、こういう感じの、「お願いですから検閲通してよ」って頼んでいるところがやたらいい。こういうイメージがぴったり合う男です。
 オチも気に入っていて、「喜劇から一切笑いの要素を取り外してください」という難問に対して、差し出された脚本を読んだ向坂がもうすばらしい。こういうハイライトってのはいいなあ。
 とにかく見ていない人には見ていただきたい。誰にでもお勧めできる作品です。「地味だけれど名作的なコメディ」を探している方には特にぴったりの作品だと思います。
posted by しょうへい at 00:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月22日

邦画:アイデン&ティティ

 おすすめ度:☆☆☆☆
 みうらじゅん原作、宮藤官九郎脚本、田口トモロヲ監督。銀杏BOYZの峯田和伸主演。バンドブームに乗ってプロ入りしたロックバンド・スピードウェイのギタリストである中島が追う青春映画。

 結構おもしろいな、と思ってエンディング見たら、宮藤官九郎が脚本というのを知って、さすがだなあ、と改めて思ってしまった作品です。田口トモロヲ監督は初監督作品だそうですけれど、これなら十分でしょう。初映画出演の峯田和伸はあんまうまかないけれど、やっぱり演奏の時とか、叫ぶような情熱的なシーンはいい味を出しています。
 バンドとしては、昔のロックバンドって、こんな感じだったなあってやっぱり懐かしいと感じます。この4人のバンドって、中村獅童が一番映えていて、次はベースの大森南朋が目立つんですよね。だからこそへんてこな主人公視点というのが際だつんですけれど。
 歌モノ映画なので当然歌がたくさん使われているけれど、どれもいい歌詞が盛りだくさんで、これはこのままサントラでほしいかもしれません。
 ストーリーはよくある青春ストーリーといっていいくらいのもので、テーマも手垢がつくほどよく使われる、売れたロックバンドがテレビでけんかしてオジャンにするというようなもので、当然浮気するロッカーで、女に刺されたり取材にきた記者とけんかしたり当然。まあよくあるテーマ。しかしそれをしっかりと飽きさせずおもしろく見せているのはやっぱりいい脚本といい監督なのでしょう。キャストは特に目立つほどどうとはいえずヒロインもよくいるような感じの女の子ですし。でもキャラクターがよく、こういう恋人いいなぁ、って思ってしまう。恋愛模様やバンドでの友情などがうまい具合に滲んでいて、いい作品になっています。
 まあクドカン作品、といえばたぶん外さないと思ってみても結構。みうらじゅんが好きならそれでも結構。青春不足の人生にはとくにおすすめの一作です。
posted by しょうへい at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月18日

洋画:アドルフの画集

 おすすめ度:☆☆☆
 メノ・メノエス監督、ジョン・キューザック、ノア・テイラー出演。独裁者になる前の若きヒトラーの画家としての才能を見いだすマックスとのドラマを描く。

 マックス演じるジョン・キューザックは知っていましたが、アドルフ・ヒトラー演じるノア・テイラーは知りませんでした。このキャラクター、ヒトラーの若き異常性のイメージを非常にうまく体現している俳優であり、感情の変化や機微、そして演説のときの熱を、まさに臨場感あふれる演技をみせていました。いい俳優です。当然ジョン・キューザックももちろんです。
 ストーリーとしては、最後が特によくて、もしあのとき、アドルフがあんなことせず、マックスと出会えることができてさえいたら世界は変わるのに、と信じたくなってしまう。
 地味な作りで派手さもなく、エンターテイメント色はありませんが、あの瞬間のすれ違いがなければ、という空気を味わいたければぜひ。ヒトラーを変わった視点で描いたという点でみてもおもしろい映画です。
posted by しょうへい at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月11日

洋画:ペイン

 おすすめ度:☆☆
 マーク・ハンロン監督、エイダン・ギレン、エマニュエル・セイナー、スーザン・テュレル出演。覗き趣味をもつフランシスが、暴漢から救ったのぞき相手のグロリアとの付き合いはじめ、その覗きが、意外なグロリアの姿を覗いてしまうサイコスリラー。

 サイコスリラーなんか嫌いだから、こういうDVDなんて借りなきゃいいんですが、また借りてしまった。ちゃんとパッケージの裏をみなきゃなぁ、と思うんですが、映画の情報とかって、観るまでできる限り少ない方が楽しめると思っているから、パッケージの情報は読みません。だから嫌いなジャンルを引いてしまうのはしょうがない。
 こういう映画の嫌いなところって、現実と幻覚が混ざり込んできて、どうにもよくわからないってところが嫌い。理解し難い。馬鹿映画みたいに、はっきりした答えがほしいんです。この映画はオチがあったからよかったけど。でも説明がないけど。
 さてストーリー、いきなり主人公が暗い感じのピーピング、やらしい変態主人公が告悔するシーンがあって、それがちょいとこの映画の独特とした雰囲気を醸し出している。しかし暗い映画で、証明も暗いし、キャラクターも暗い。そういうストーリーは、やっぱりブラックで、地味なシーンで顔色も悪いながらヘビメタかけるシーンを織り交ぜながらもやっぱり暗い。ただこういう雰囲気ってのは不思議と目がいってしまうなぁ。
 主人公が覗き趣味、恋人は菜食主義者、複雑な家族関係、変な水道工事。ごちゃごちゃしているけど登場人物が少ないから助かります。
 と、まあサイコスリラーだからな。当然主人公が何もしゃべらなくなったり、妄想癖が出始めたり、自分が信じられなくなったり。でも行方不明を通報するとかおそわれている女性を助けるとか宗教を大事にしてるとか、なんだかよくわからないシーンが多く、こういう映画にありがちの「心の動きが唐突」「事件も唐突」ってのが、気になりすぎるのがこの映画にもある。どうしてそんなことしたんだろう、ってのが多すぎて、すっきりしない。
 まあそんな感じでした。雰囲気は悪くないけどね。
posted by しょうへい at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月07日

邦画:どろろ

 どろろ、観てきました。
 まあ悪くなかった、とは完全には言い切れません。どうしてこういう演出するんだろう、って首を傾げてしまうセンスの悪さ。あの赤ん坊のでっかい奴。あいつ。なんだ、あれ。吹き出してしまうのは監督の狙いなのかなんなのか・・・。それと、百鬼丸とどろろの出会いのシーンの、なんだあの丸い画面。それもあの場面だけ、って、狙うんなら全編そういう感じで古くささを出してほしかったんだけど。
 それにしても最後の悪の親玉の中井貴一の変身姿、あれは禍々しくておどろおどろしくてよかった。あれだけ悪そうなメイクも珍しい。
 でも一番どうでもいい、と思ったのは、どろろ。柴咲コウ。てやんでぇ口調、似合わないし、言い慣れていないからと舌が回っていないから演技がド素人の様に感じられます。それにあの役柄、いらないんじゃないのか? ワトスン役にも成りきれてない、中途半端な存在でした。もうちょっとストーリー的に見せ場があっても良かったんじゃないかと思いました。
 そんな感じ。スプラッタ描写のある子ども向け邦画アクションでした。妻夫木かっこいいけど、ストーリーとか心理描写がどうでもよいというか、話のつながりがよくわからなかったり、最後は結局どこでどうしたらそんなふうに許しちゃうんだよって感じてしまったり。
 もうちょっと頑張ってほしい感じの作品でした。
posted by しょうへい at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月01日

洋画:インサイダー

 オススメ度:☆☆☆☆
 1999年米。マイケル・マン監督、アル・パチーノ、ラッセル・クロウ出演。タバコ産業の裁判における偽証について、内部告発を報道するジャーナリスト・ローウェルの「ジャーナリズム」と、人生を台無しにされたタバコ産業の元副社長・ワイガンドの苦悩を描く。実話に基づく人間ドラマ。

 これは非常に面白い映画でした。アル・パチーノとラッセル・クロウというのがいい役所なのは間違いないですから期待も大きかったのですから、観る方も気合い十分で観ますよね。たまにがっかりさせられるものってありますけれど、それにしたってここまで期待に応えてくれたら大満足です。
 タバコ業界の訴訟ってのは、僕なんかみたいなタバコを吸わない人からすれば「勝手に吸ってるあんたがわるいんでしょ」って思いたくなりますが、この映画はタバコ業界がどうとか、というよりもドラマ性が強く、凄くテンポもよい。160分とか長尺の映画ですが、それでもかなり面白いのです。巨大なタバコ産業が中毒性のある(強い)タバコを作っていて、知らんぷりして作っていたのに偽証をするというのがまた悪どいのですが、守秘義務契約書のサインをラッセル・クロウ演じるワイガンドが苦悩するところなんて非常に怖い。こういうのってまさか日本の会社でもあるのでは?って、JAL労組個人情報収集ニュースみてて思いました。「美人」とか「ウクレレすぐやめた」「人望なし」「危険な思想もつ」とか記述してるらしいやつ。こわっ。
 アル・パチーノ演じるローウェルが最初の時点でイスラム過激派のトップみたいなのにインタビューするところは、そっちの映画なの?って勘違いしましたが、本当のストーリーは内部告発者の苦悩と、報道規制というテーマです。最初のインタビューはあまりに印象的すぎて、あとで出てくるのかと思い込んでしまったので、紛らわしい無駄なシーンです。それ以外に無駄なところはないのですが。
 キャラクターも非常に立っていて、ジャーナリストとしてのあるべき姿が描かれているのがよい。他の新聞社まで出てくるなんて凄い人脈の使い方だなぁ、とか思いましたが、そういうのがあってこそのエンターテイメント。その上まさかの情報操作まで入り、あるべき姿と書いておいて、ジャーナリストって結局こういうことを自分でもしてんじゃねぇか、とか思いました。科学者ワイガンドを演じるラッセル・クロウの苦悩する姿は、全編通して非常にいい。ばっちり感情移入させられてしまう名演技、名俳優ですね。
 ともかくこれはオススメの映画、ぜひいちど観ていただきたい。そうすれば納得がいく名作であると思います。
posted by しょうへい at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする