2007年02月27日

邦画:最終兵器彼女

 オススメ度:☆☆☆☆
 高橋しん原作まんがの実写化。
 須賀大観監督。前田亜希、窪塚俊介出演。兵器の身体となったちせと、シュウジの恋を描くSF。

 これをまんがで読んだとき、ストーリーとか設定なんてめちゃくちゃオタクな設定で、彼女のちせが兵器の身体になって戦争に行っていて、彼氏のシュウジは普通の高校生活を送っているというもの。週刊誌だったのでついでに読んでいたのだけれど、ストーリーなんてものよりも、とにかく描写とか人物とか感情の流れが凄く好きで。シュウジとちせが別れるシーンがあるんだけれど、そのときちょうど僕も付き合っていた人と別れたときで、それがものすごくわかる感情というか。感情が溢れ出しているのが伝わってくると言うか。だからすごく感銘を受けました。設定が気恥ずかしいくらいのものなんですが、ものすごく文学的な作品というか。どんな戦争をしていても二人の恋ばかりが語られる作品です。戦争というのに主眼を置かない描き方はとてもいいですね。
 この映画にしてもかなりその肝の部分を引き継いでいるのは好印象に思えます。
 でもなんというか、ラストとか全然違うし、2時間映画だから脇役のストーリーがないのもしょうがない。でも音楽はいいし。ラストは原作のがすごく「らしい」ので好きなのですが、まあ、実写であの終わり方はできなそうだし。
 なんというか、初々しすぎる二人を観ていたらなんだか懐かしい感覚が甦るというか、そういう感想を持ちました。ヒロインちせを演じる前田亜希がなんというか、可愛らしいけど、そこらへんにいるような感じの女のコっぽさが出ているのが、すごくいい。地味だけどいいな、こういうの。キスシーンの固さが、あれが演技なのだと思うけど、なんか凄くいい。青いなあ、って。
 なんか変な映画をみたいな、でもすごく青臭い恋愛映画みたいという方には特にオススメの映画です。
 ぜひまんがも一度読んでもらえれば、と言う作品です。
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2007年02月14日

邦画:スパイ・ゾルゲ

 オススメ度:☆☆☆
 2003年篠田正浩監督・原作・脚本。イアン・グレン、本木雅弘、椎名桔平、上川達也出演。昭和初期、ソビエト軍のスパイであるゾルゲと朝日新聞社の尾崎の、二人のスパイの姿を描く。

 180分超という大作、さすがにこれを観るのは骨がいる。長い映画でありストーリーも歴史と男女の絡み、複雑な裏工作とか観ていて根気を求められ、テンポが良いと決して言えない。しかしそれでも観ているとかなりのめり込めるストーリーであることに気づく。これが実在人物とはなかなか思えない。この日本ではCIAやKGBのような機関がないのだからよけいに遠くの国の出来事のように思えてしまう。
 しかしこの映画では結局不幸な結末というか、人生とかそういうのが、悲しみばかりが残った感があります。救いはあるかもしれないけれど、残された人も、ゾルゲや尾崎らも、切なすぎる。
 音楽もクラシックでかため、やや古風な出来具合をみせる本作。やはり長い映画であるけれど、当時日本に実在したこのゾルゲというスパイの話に興味が惹かれたら観ていただきたい映画です。多分映画好きや歴史好きという人のための映画で、とりわけ感動する人間ドラマとかではありませんから、最後まで観るには多分、根気がいる映画であると思います。
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2007年02月08日

邦画:陽はまた昇る

 オススメ度:☆☆☆☆
 2002年、佐々部清監督、佐藤正明原作。西田敏行、渡辺謙出演。ビクターがVHSを開発したいきさつを描くドキュメントドラマ。

 これはもう、もの作りメーカーに勤める方にはぜひ観ていただきたい映画です。西田敏行演じる加賀谷が所長となり派遣され、そこから技術者として、人として、夢を持ち成功させる映画です。この西田敏行がまた、どの映画観てもそうおもってしまうけれど、いい味を出して、人を惹き付けるんだよなぁ。なんというか、この人が言うとものすごく情熱がこもって感じられて、このひとが所長だから、ここまでしてみんな死にものぐるいでやり遂げられた、って説得感が発生するのだ。「甘い」と言われつつも、それが人情であり、人の心をひとつにしたのだ、と考えると、僕もそういう会社に勤めたい、なあ。渡辺謙の悩みつつあるところを演じる姿にも惹き付けられる。とってもいいストーリーで、キャラクター、俳優も粒ぞろいです。音楽は大島ミチルですし。
 感動したところは数あれど、大阪にいこう、という所と、なんとあの松下幸之助とのやりとりにはすごくぐっときました。
 やっぱ仕事って、熱くならなきゃな。オススメの映画です。
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2007年02月06日

邦画:嗤う伊右衛門

 オススメ度:☆☆☆
 蜷川幸雄監督、唐沢寿明、小雪、椎名桔平出演。民谷家の顔が醜く潰れた娘・岩をめとった境野伊右衛門。その二人に、なぜか異常に執着する酔狂な筆頭与力・伊藤が複雑に絡み、破滅をもたらそうとする。それら絡み合う関係を京極夏彦が「四谷怪談」をもとに焼き直した作品。

 いやはや、さすが京極夏彦作品。わけわからん。ストーリーの転がし方が難しかったりちょっと「?」なんてところがあって理解するのにちょっと時間がかかるところはあるものの、この空気ですよ、この空気。こういう作品は内容なんてわからなくても、キャラクターの感情の流れがわからなくても、ただこの空気。それを味わうだけで没頭出来る映画です。
 映像の撮影効果とかキャラクターとか、さまざまな面でいいところをたくさんもっている映画。ぜひとも一度、この京極作品の空気を味わっていただきたいと思います。
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邦画:らんぼう

 オススメ度:☆☆☆
 大沢在昌原作。丸山昇一監督。坂口憲二、哀川翔、原沙知絵出演。ハードボイルドらしさよりもキャラクター重視の作品。入院先で同居していた、親を殺された少年と犯人へと近づいてゆく様を描く刑事モノ。

 非常にキャラクター性の強い映画で、大沢作品とは思えない明るい主人公であったり。原作を読んでいないのでわかりませんが、原作とは結構違うのでしょうか。まあキャラクター性というのは、哀川翔が出た時点で決まっているような気がしますけれど。
 ストーリーとしては凡。すごく珍しいものでもなく、古くさい印象を受けるかもしれません。やくざも一目置く破天荒な刑事が少年と絡んでは人生を説き、きれいなナースがいたら口説く。スタンダードなのかもしれませんね。
 まあ殺人事件の真相というのも特に目立つような裏はないのですが、逆に予想通りに話が進むところがこの映画のいいところなのかもしれません。
 音楽もまあなかなか。こういう音楽あまり好かないのですが、ハンドクラップだけのところとかなかなか面白いかな、と。最後のカラオケとか明るいし、なんか微笑ましい。
 そんな感じ、特に何が残るわけでもないですが、観てなんとなく、面白いと感じるものだと思います。
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2007年02月04日

邦画:なま夏

 オススメ度:☆☆☆
 吉田恵輔監督。蒼井そら、三島ゆたか出演。朝の電車でいつも同じ車両にのっている女子高生に恋したストーカーサラリーマンの気色悪い恋愛を描く。

 これはきもい。三島ゆたか演じる益男の、写真を部屋中にたっぷり貼っているとか盗聴するとか、すごくきもい。それを演じきる三島ゆたかが素晴らしい。まさかここまでぴたっとはまる人がいるなんて驚きですね。蒼井そらがかなり綺麗な役をしているのがかなりいいかんじで、ジャケット写真のパンチラもまたかなりいいかんじです。
 ストーリーはそんな感じ、妹が結婚するのに、惚れた女に話し掛けられないサラリーマンというのをバカにされ、ついに告白に至ったけれど「きもい」と返されたので逆恨みしてしまう、というもの。そしたらとある出来事で入院して、顔をカーテンで仕切られているという状況でのコミュニケーションのとり方がけっこう面白い。ここはかなりよい印象をうけ、オチもまたなかなかのものでした。
 まあこういう恋愛映画があってもいいでしょうか、ねぇ。
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2007年02月03日

洋画:セルラー

 オススメ度:☆☆☆☆
 2005年米、誘拐された被害者と見知らぬ青年をつなぐ、希望は携帯電話のみ。青年が見知らぬ被害者を救うべく走り続けるサスペンス。デヴィッド・R・エリス監督、キム・ベイシンガー、クリス・エヴァンス出演。

 これは凄く面白い。時間も90分と短いながらも、これくらいの映画時間が絶妙で、濃度が高くほとんど無駄のないストーリー展開は圧巻です。テンポ、展開が小気味よくアクション要素が強いながらも偶然や伏線がしっかりとしていて見せ場もある。無駄がなく伏線が張られている、という展開だから、あれはあとで出てくるのかな、ってわかっちゃう部分もあるのですけれどね。
 キャラクターがしっかりしていて、主人公クリス・エヴァンスの役所が非常に良い。最初はピーチで女のコを口説く軽いヤツ、というので面白くなさそうな映画だなぁ、と思ったのですが、すぐにそれは覆されます。事件が進むに連れて焦りの表情や殴り合ったら弱いとか、凄くいい感じです。クリスが演じるライアン役の、いつも目前でしくじるのを連発するというのがこのキャラクターらしさというか。あー、またこいつヘマしたよ、みたいな味がよく出せていていい感じです。
 悪役がまた悪役っぽくていいんですけれど、冷酷になりきれないようなイマイチで間抜けなキャラクターがちょっと、とは思いますが。
 展開が面白くて、テンポがいいというのがありますが、いろいろとしくじりながらもどうにか首の皮一枚つながっている、というのがハラハラさせられ、この映画に魅入ってしまう一つの要素です。最後の初対面のシーンなんて、いかにもエンディングらしくて、もう素晴らしい。あー、やっぱり映画ってこうでなければ! と。

 アクション要素が非常に濃いサスペンス、絶賛します。エンターテイメントとしては非常にオススメです。ぜひ観ていただきたい。

 しかしいいなぁ、ノキアの携帯電話。次機種変更するときはノキアがいいな。

 ついでですが、ネットでこの映画を調べたら、ラリー・コーエン原案ってあるけれど、この人「フォーンブース」の原案もやってるじゃん。どっちも電話、かたや電話ボックス、かたや携帯電話。どちらも非常に面白い映画ですね、こちらもオススメです。
 ちなみに過去の記事はこちらです。
posted by しょうへい at 00:57| Comment(0) | TrackBack(1) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする