2006年12月26日

新書:藤川太著「サラリーマンは2度破産する」

 おすすめ度:☆☆☆☆
 いかにしてサラリーマンが、生涯苦労しつつもどうにか生活出来る老後を送ることができるのか。そのままいったら、2度、多くのサラリーマンは破産する。一度目は子どもが成長するとき、二度目は老後、である。長い目で人生設計をするための貯蓄の書。

 最近僕もサラリーマンとか色々な人生の出来事が待ち構えていて、こういう本を読んで、一生を手堅く生きてみないといかんなぁ、と思って手を出したのがこの一冊。タイトルの「破産」という言葉が僕にはちょっと恐ろしい言葉に感じるので(ウリ・ジョン・ロートも破産しましたし・・・)、無難な庶民はこういう本で勉強して、今後に生かそうと思います。
 とても象徴的なタイトルで、検索したところ結構よい評判の本で、手を伸ばしてみました。最近新書ブームということもあって多くの読者を意識したわかり易い言い回しや大きめな文字で読み易かったりして、ちょっと情報量としては少ないかと思ったら、密度は十分です。
 さてこの本ですけれど、人生設計をお金中心に考えたとき、普通の生活するにはこれだけかかるから、こういうふうにしてみるといいですよ、という一冊になっています。
 特に興味深い一つに、自動車を所有することで、維持費だけで1年の平均額が60万円、というもの。ガソリン、保険、駐車場、車検、税金、修理代、ということを考えての値段ですが、これだけかかるものを貯金すると言っていて持っていては到底できないわけだなぁ、と改めて実感し、クルマを手放しました。車検がきたからちょうど今クルマを僕は手放しているのですが、暫く買うのがおっくうになってしまいました。せっかく試乗もしたんですけれどもね。
 また面白い発想というか、どんな人も考えることに、「いつかはマイホーム」というのがありますが、それを著者は「マイホームだけがすべてじゃないよ」と書いています。ちょっと言い回しは違いますけれど。どういうことかといえば、仕事を都心でしていれば当然都心に住むことになり高い家を買うけれど、定年退職後に地方に移り住んでから、家を買う代わりの貯蓄と年金でアパート借りればいいんじゃない? という提案とか、非常に面白く興味深い。
 最後の方の株の話は興味がない方にはどうでもいいです。
 とにかく、貯蓄しろとかみさんに怒鳴られている人とか家をそろそろ買う人とか、人生設計を立て直したい方にはとにもかくにも読んでほしい1冊です。おすすめです。路頭に迷う可能性を、早めにつぶしましょう。
posted by しょうへい at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション・新書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハードロックCD:TEN[Twilight Chronicles]

 2006年英、ブリティッシュハードロックバンド、テンの最新アルバム。

 久しぶりに聞いたテンのアルバムなのですが、ずいぶんとジャケットからして変ったなぁ、って印象になっています。今までは派手で赤が基調だったりするイメージだったのですが、今回はどでかいドクロ。かわりすぎでしょ、ってところです。
 んで、何が変ったかといえば、もともとゲイリー・ヒューズの歌とヴィニー・バーンズのギターという2人のユニットだったのだけれど気づいたらバーンズはいなくなり、代わりにバンドメンバーをがっちり固定した5人組となった模様。それがどう作用するか、というのは、ゲイリー・ヒューズがいれば良くも悪くもテンの叙情的なサウンドなんだろうと思っていたので、そこまでかわらん、と思って利いてみたのですが、やっぱり変らない。この叙情旋律が、サビが胸にくるんです。相変わらず渋く深みのある声には色気があり、どれを歌っても響いてきます。
 #1「プロローグ」がいきなり12分という大作なので、まあいつもどおりというには長いですね。アルバムの最初にこの長さ、というのがいかにもな狙った感があるんですが、長すぎます。なかなかいい曲だと思うんですけれどなんか、新しいギタリストのギターがあまり好きではない・・・というのが大きいのです。ギターリフがズクズクとなり続ける繰り返しがあんまりにも機械的で、それにピックがギターに当たるスクラッチノイズが目立ちすぎて気になる。結構僕の中では不評です。ライブ録音じゃないんだから、スクラッチノイズは取り去ってからリリースしていただきたかった、と思います。ギタリストはまだまだ若手らしく、これから、という感じの音楽です。バーンズ不在はかなりの痛手となっています。でもそれ以外は捨てたもんじゃないですし、いい曲は確かにしっかり入っています。
 なんだかんだいって、結構気に入ったアルバムのひとつですが、もう少し1曲をコンパクトにまとめていただきたかった。サウンド自体は昔とあまり変っていないというので、昔からのファンにもさほど驚かれない作品であると思います。渋いロックファンにはオススメの一枚です。
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2006年12月20日

ヘヴィメタルCD:ANGRA [Aurora Consurgens]

 2006年ブラジル発、アングラ最新アルバム「オーロラ・コンサルジェンス」。前作よりさらにプログレッシヴ色を濃くし、ラテン色が後退した大作志向作品。

アングラというバンドは、僕の中ではもう既に、アンドレ・マトスがいた頃のバンドとは全く違うと思っています。
聴いた人の多くがそう感じていると思いますが、多分方向性としても楽曲としてもかなり違うと感じます。
決して時代がそうしたというだけの変化に留まりません。
質という点では決して下がることなどありませんが、しかしここまでプログレに傾倒するとは思ってもいませんでした。
もはやドリームシアター的な進化、というか。

音数が多い上にプログレ色が濃厚なため、前作以上に理解するのに時間がかかりました。
とにかく音の洪水で展開も複雑。
これはかなり聴き込まないとだめだ、と感じました。
こりゃいまいちかな、と思いましたが、聴くうちにこれがまた良くなってくるのだ!
そしゃくし、なんどもかじりつくことが重要な一枚です。かならず気に入る一枚だと思います。

中でも気に入ったのは#9「スクリーム・ユア・ヒート・アウト」という一曲。
このギターリフがいいんだなぁ、特徴的な、キーボードみたいな音で奏でるんだけれど、説明できません。
ギターソロも素敵に構築しており、これは特に一聴の価値があり、と思います。他も粒ぞろいですし、かなりいいアルバムです。

しかし前作と比較すると、これまた難しい・・・。カラーは近いのですが、ラテン色が後退したおかげでやっぱり違ったよさがあるように感じます。
前作のような大仰な作品ではないという点では気合いが前作の方がかなり勝った点もあるかと思いますし、今作はバラード類がやや弱いんじゃないか、と感じるところはありますが、それでもなかなかのできです。
アングラの新作の名に恥じるところは一ミリだってありはしない。

アングラが好きなら、ぜひ聴き込んでいただきたいものの一つです。
一度聴いただけでは絶対プログレ色の強いアルバムの良さはわかりません。
とくにこれだけ音数が多いものになると、一度聴いただけではよくわからないものになるでしょう。
そこを何度か聴くと、ものすごくいいアルバムに感じるはずですよ。
だから視聴したら購入しましょう。手元において理解するまで聴き込むべきです。
レコード店の店員の宣伝文句じゃないですが、そうすべきアルバムだと思います。
posted by しょうへい at 21:25| Comment(2) | TrackBack(1) | ヘヴィメタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

洋画:ふたりの男とひとりの女

 オススメ度:☆☆
 2000年米、ファレリー監督。ジム・キャリー、レニー・ゼルヴィガー出演。人生めちゃくちゃのせいで2重人格となった警察官チャーリーが手違いによる指名手配の女アイリーンをニューヨークまで護送することになったのだが、そのアイリーンが悪い者に命を狙われ、それにチャーリーと乱暴で下品なハンクと言う人格が巻き込まれてしまう、ボディガード風味ファレリー+ジム・キャリーコメディ作品。

 まあ、ファレリー兄弟作品から下ネタは外せません。これはもう不可欠な要素です。面白いのは、アイリーンの写真を握りしめて眠っていたチャーリーのそばに大量のティッシュがあるってところ。もう馬鹿笑いですね。こういうカラーの作品です。かみさんが浮気して黒人の子どもを産んで、育てているのはチャーリー自身だったり。もうあらゆる黒いネタが満載です。
 チャーリー演じるジム・キャリー得意の顔芸があまり出番がないのは凄く残念に感じてしまいました。代わりに恐るべき高難度パントマイムを披露してくれたのは救いです。アイリーン演じるレニー、これはなかなか可愛いんですよね。確かに、チャーリーでなくとも惚れてしまうような気がします。護送と言ってもバイクで二人きりだし。
 この映画での問題はストーリーです。あまりに浅く、そのうえキャラクターがまたどうでもいい。行き当たりばったりのキャラクターを作り、ストーリーにむりやり登場シーンを織り込んだだけ、みたいな受け取り方ばかりです。それに悪役のやっつけ方、あれでいいんだろうか・・・。あまりにも惨い、黒いやっつけ方なのですが。ラストだって、あれで解決したって感じもなくぐだぐだで終わったような気がします。うーん。
 まあ、ファレリー兄弟の作品っていうのは間違いなく、好きならば楽しめると思います。女の子といっしょに観ると、理解が浅い段階では気まずくなると思いますからおすすめしません。中身のない映画ですしね。ジム・キャリー作品と言えどファレリー兄弟作品という色の方が強いですし。
posted by しょうへい at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月14日

洋画:宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式

 オススメ度:☆☆☆☆
 1999年米、ジェフ・アブゴフ監督。宇宙人からみた地球人の交尾の複雑さを撮影したドキュメンタリー仕立てのコメディ。マッケンジー・アスティン、カーメン・エレクトラ出演。

 これは笑った。アメリカンというよりちょいとシュールな形の笑いです。
 普通の男性が、女性と出会い、口説いて、付き合って、キスに至って、セックスに至って、結婚に至って結婚に至って、ついに出産に至るまでを、宇宙人が動物の一生をみるかのような形で、阿呆な解説つきですすみます。この解説がすべての笑いなんだけれど、ホント、淡々とバカなことをしゃべっている。「電話番号をもらったからって今日電話するなよ」「なんでだよ!?」「じらしてやるんだよ!」みたいな友人との会話の解説が「地球の習慣は時に複雑である」とか。非常に、いい感じ。
 あからさまなのはコンドームを使ってのセックスですが、あれはなあ・・・。白タイツのおっさんたちが壁にぶつかるとか、ターミネートされちゃうとか。あほすぎる。
 最後の最後も面白くて、「オマエが生め、FU○K!」とかずっと叫び続けてるのが、まあそう思うんだろうけれど、笑ったなあ。
 ともかく下ネタですが、これはこれですごくいい感じの面白い映画です。バカ映画がみたいときにはぜひどうぞ。ヌードもちょっとあってとってもきれいですし。それに主人公が腑抜けていて、彼女の電話番号をなくしたときとか、根性で捜している姿を見たらすごく応援してしまいました。それくらいのめりこめる映画だと思います。
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2006年12月04日

洋画:ホット・チック

 オススメ度:☆☆☆☆
 2002年米、トム・ブラディ監督。ロブ・シュナイダー、レイチェル・マクアダムス出演。美人女子高生がカネに汚い悪党のおっさんと入れ替わった身体を取り返すコメディ。

 ストーリーはありがちな、女子高生が男と入れ替わって、その身体を取り戻そうと言うものがテーマですが、なにより一番の違いが、女の子が顔が整ってものすごくきれいなのに、入れ替わったのが同級生とかではなくてオッサンというのが、これがものすごい特徴です。なんというか、汚い! オッサンの入れ替わった身体の毛を脱毛するところとか、もう汚いんだよなぁ・・・。もともとがめちゃくちゃ綺麗で、親友がまた美人だから、身体が入れ替わった絶望感がものすごく伝わってきました。
 キャラクター、個性的です。ロブ・シュナイダーが女子高生ジェシカの中身をもった演技は迫真です。すごい器用な人で、最初汚いおっさんだったのが、確かに女の子が乗り移っているように見えて仕方がない。でもシーンが変わる毎にオッサンに見えるんですが(笑)。女の子の動きとか話し方とか、不気味だったのが見慣れてくる。ダンスもかなりのものですし。バスケットの動きがイマイチだったけれどね。ジェシカの親友エイプリルがまた綺麗なんだよね。この綺麗さのおかげでオッサンが汚く見えるという手法は見事です。
 もし時間があれば、どちらかと言えば女の子向けの映画ですが、非常に面白いコメディ映画です。ロブ・シュナイダーの名演には一見の価値あり、ですよ。
posted by しょうへい at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月03日

洋画:ミート・ザ・ペアレンツ

 オススメ度:☆☆☆☆
 2000年米ジェイ・ローチ監督、ロバート・デ・ニーロ、ベン・スティラー出演。看護士のグレッグが恋人のパメラの父親に挨拶に行き、父親に気に入られるという任務に挑むコメディ。

 うん、なにがどうあれベン・スティラーが出ている以上、その特有のキャラクターは変わらず。独り言とか言い訳とかやっぱり大事なところでウソツキとか。どの映画でも同じような役柄で、でもこのキャラクターだから広く映画に出演できて、まさかのデ・ニーロと競演なんでしょうね。
 ストーリーがなかなか面白くて、日本人にとってもかなりの一大イベントである「彼女のお父さんに会いに行く」というテーマ。これはかなり日本人に似たような状況で、共感してしまった。主人公のベン演じるグレッグと、デ・ニーロ演じるジャックの、車での買出しシーンなんてまさに日本人にもってこいのシーンというか。二人で車で、しゃべることがなくて、沈黙が続いてどうでもいいことしゃべって、なんてお互いの気まずさが共感を誘い、それがまた面白い。初対面のおっさんとでもアメリカ人なら気さくに話し合えると思ったら、そうでもない場合もあるんですねぇ、ってちょっとうれしくなったり。
 ひとつ興味深いシーンが、プールでバレーをするシーン。グレッグががんばりすぎて、女の子の顔面にアタックして血まみれにするシーンがあるんだけれど、僕もあれやったことあります。バスケットでボールはじいたら女の子の顔に大当たり。鼻血は出ませんでしたけれど、20歳過ぎてやっちゃだめだ、ってちょっと思い出しへこみしてました。
 非常に面白いコメディ、今度彼氏が会いにくるお父さんにはぜひ観ていただきたい。解決してないけれど。最後の和解も無理がちょっとばかりある感じがしましたし。コメディだから誰が見ても面白いと思うのですけどね。
posted by しょうへい at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする